丸尾末広・江戸川乱歩全集をおすすめ度
★★★★★
すべての江戸川乱歩作品を丸尾末広の手でコミックにして欲しいと、すぐさま思った。
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丸尾末広の『パノラマ島綺譚』は、少年が出てこない。丸尾末広の少年世界が、大人な耽美な幻想世界に変貌している。猟奇が幻想になっている。幻想の作家としての丸尾末広がベールを脱いだ感じだ。
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乱歩の世界は、狭いところから外を見て妄想する傾向がある。もちろんそれが良いのだ。屋根裏や、椅子の中から覗き込む世界だ。登場するパノラマは、模型の十二階のように、その狭い世界のもう一つ外の狭い世界、例えていえば見世物小屋の中にある。
丸尾末広の素晴らしさは、そのパノラマを現実世界に解き放ち、自らも密室から出て、宙に浮游して俯瞰していることだ。この幻想の視点は、今まで、幻想作家がなかなか持ち得なかったものだ。
素晴らしい。最高傑作のうちの一冊になるだろう。
カンペキデス!おすすめ度
★★★★★
「千代子よ眠れ!」確かこんなセリフは原作にはありません。
しかしこれを見た時、私は一気に主人公の人見広介に感情移入してしまいました。
よく見ると丸尾末広の肩書は「脚色作画」とあります。
丸尾末広は原作を完全に理解した上で脚色しています。
私はこの作品を読んで、原作を読んだ時と同じくらい、否、それ以上の読みごたえを感じました。
乱歩作品の映像作品(ドラマ・映画等)を見て失望された方は少なくないと思いますが、この作品はカンペキデス!
私はこの作品のオールカラー化を希望します。金額は問題にならないと思います。
素晴らし過ぎ
おすすめ度 ★★★★★
原作が好きなので買ってみましたが、最高でした。
丸尾さんの絵と乱歩の退廃的な世界観が見事にマッチしてて、陶酔感を誘うような相乗効果を生み出してます。間違いなく傑作。星六つが付けれるなら付けたいくらいです。