星が足りないないないない!!!おすすめ度
★★★★★
乱歩映画の最高傑作。
「RAMPO」とは比べ物にならない。
江戸川乱歩原作の短編「心理試験」と「D坂の殺人事件」を見事に融合し、緊張感と美学溢れる殺人事件を作り上げている。
美人古本屋が殺され、周囲にはあやしい人物ばかり。女主人とあぶない関係にあったSM店員、彼女が密かに贋作を依頼していた凄腕の贋作職人・・・
実相寺演出の無駄のなさはもちろん、見所は真田弘之の熱演、名演、怪演。友人曰く「役者バカ一代」、まさにこの言葉がぴったりの絶品。凄腕の「贋作職人」ゆえに、
「自分が贋作を作った作品に、もはや本物は要らない」
という、恐ろしいまでの自負と執念とナルチシズムを見事に演じ切った。
そして、後半になってやっと登場する明智小五郎=嶋田久作の不気味な存在感、三輪!ち!?とみ演じる美しき小林少年とのあやしげな雰囲気・・・
寺田農のSM蕎麦屋もいい味だし、近所の溜まり場であるカフェの主人・宝田明、明智の旧友で警察のエリート・岸部一徳など、脇役にまでスキがない。
90分の作品だが見所一杯、無駄な場面はまるでなし。どこを切っても濃厚絢爛。冒頭から、明智vs真田の名対決まで一気に見せる。
是非是非、DVD化すべき大傑作。