銀座という記号おすすめ度
★★★★☆
作詞家でもありクラブ・オーナーでもあった著者が自らの経営していた銀座「姫」について、またその酒場に集った男達、女達について語った作品。一般の人々とはあまり縁のない銀座の夜の生態を垣間見ることができます。ホステスの壮絶な人生や客の男たちの盛衰など、全編に強く漂うのは艶やかさの部分ではなく、むしろ人の業を感じる濡れた闇の部分。実際に現場にいたもののみが語れる文学といっていいと思います。
届かない憧れ
おすすめ度 ★★★★★
銀座・・・この言葉だけでも華やかに響く。
夜の銀座に足を踏み入れたこともなく、もっとも美しかったとされる時代にはまだ産まれてもいない私だけれど、山口洋子さんの描く銀座には懐かしさを感じてしまった。二度と戻らない時代だから、そこに生きていた人たちが羨ましい。魅力的な人々に、本の中だけでも出会えて本当に良かった。