宮崎駿に近い年齢ですが、耳をすませばの多くのファンの感想を読んで、思春期の頃は時代を経ても変わらないものだと思いました。幼馴染がいて、ラブレターをもらったり「付き合っている奴いるのか」とか異性を気にし始め、夢から現実への移行に気づき始める。懐かしさで胸がしめつけられ、あの頃の真剣さや純粋さを思い出し、いとおしくて涙が出ます。何度も見たくなる作品です。
感動おすすめ度
★★★★★
小学生のとき見ても感動しましたが、高校3年生の今でもこの作品が大好きです。
この作品で一番印象に残ったのは、雫の「書きたいだけじゃダメなんだ」という言葉でした。私も雫と同じように小説を書いているので、雫の葛藤や心情に共感して泣いてしまいました。
勉強なんか嫌い、世の中には勉強より大切なものがあるのに…といつも思っていたけど、学ぶことで世界が広がり、もっともっと自分を高められるということに気づかされました。
この作品に出会えて、本当に良かったです。くじけそうになったとき、何度でもまた観ようと思います!
生きていたくなるおすすめ度
★★★★★
主人公と同じ世代の人にとっては、自分の将来を真剣に考え始めるきっかけになると思う。
もっと上の世代の人にとっては、自分の学生時代を懐かしむ良い機会になると思う。
多くの人がこの作品を観た後に何かを考えることになるはずだ。
そして、生きている実感が湧くに違いない。
リアルとファンタジーが融合した傑作おすすめ度
★★★★★
東京近郊を舞台にした、
普通の中学生の成長のストーリー。
多摩、京王線沿線の雰囲気がよく出ていて、
まずその設定、風景のリアルさが、
他のジブリ作品にはない特徴。
そこに惹き付けられた。
主人公しずくやその家族、友達は一生懸命生きていて、
庶民的で、ある意味完全無欠。
それが心地よいファンタジーだ。
この映画の神髄は、
登場人物も舞台設定も等身大の青春ものなのに、
いつの間にか 、ファンタジーに至るところ。
猫の使いかたなどは、とてもうまい。
ジブリ作品には、
自由業と公務員は登場するが、
民間企業のべたなサラリーマンは登場しない。
風景は心にぐっとくるものがあった。
夜景のロングショットがよかった。
概要
雫は中学3年生。両親と大学生の姉とともに東京近郊の団地に住む、ごく普通の読書好きの女の子だ。そんな雫が親しくなった同級生の少年は、中学を卒業したらすぐに、バイオリン職人になるためにイタリアに渡ると言う。進路について深く考えていなかった自分に気づいた雫が、自分のやりたいこととして選んだのは…。 脚本とプロデュースを宮崎駿、監督は数々のジブリ作品でキャラクターデザインや作画監督を務めた近藤喜文が担当。思春期の迷いや焦り、そして出会いがもたらす成長を、変わりゆく季節の様子とともにみずみずしく描き上げた。
特筆すべきは、背景の描き込みの細やかさ。団地の階段や学校の廊下、街なかの看板に至るまでリアルに、しかし温かみを持って描写され、これが「特別な人の物語」ではないことを示しているようだ。これから巣立ち、自分の道を歩む人たちにふさわしい歌として原曲を大胆に翻案したテーマソング「カントリーロード」も印象的。見終わるころにはコンクリートでできた街並みに不思議な郷愁を覚える、そんな秀作である。(安川正吾)