綾辻星2.5,佐々木星3.5おすすめ度
★★★☆☆
「館」ものとしては,展開のひねりの利きが甘いのですが,佐々木倫子のキャラのとぼけっぷりとのはまり方がとても楽しく読めました。
この本(漫画)は筋よりも上巻の最後の絵の迫力を楽しむためのものですね。
一年間、待ちました
おすすめ度 ★★★★☆
本格ミステリー作家の原作に、あの『動物のお医者さん』や『おたんこナース』や『Heaven?』の佐々木倫子の漫画のコラボ。
血生臭い連続殺人事件に、佐々木倫子のとぼけたテイストが、意外とマッチしています。
上巻発行から約一年間、連載されていた月刊誌を全然見なかった私は、ひたすら待ち続けました。
待った甲斐はありました。満足しました。
最初は、上巻の最後に提示された、幻夜号の謎解き。なるほど、そういうことだったのか。キング・オブ・テツの趣味。在り得る、と思う。
そして、陸の孤島となった月館での大量殺人。犯人探しの謎解きへと進んでいく。
自分のことは『テツ』であると認めない、乗りテツ、時刻表テツ、コレクションテツ、模型テツ、撮りテツの、5人のテツ達。
こんなに悲惨な事件が起こっているのに、そこに居合わせているのに、犯人かも知れないと疑われているのに、暴走する彼らが、非常に楽しい。そして何故か愛おしい。
クライマックスは、事件の意外な真相の真相。私の場合、作者と張り合って推理するなんて読み方をしないから、単純に意表を突かれ、楽しみました。
しかし、冷静に考えてみると、空海って、凄く可哀想。でも、明るいテツ達に囲まれて、幸せに暮らして欲しいと、願わずにいられない。
終盤の、謎解き部分のページが、紙に色がついていて、読み難いのがちょっとマイナス。
原作者あとがきは、もっと読み難い……。
まあ、上巻を買っちゃったら、この下巻も買わずにいられない。でも、一度読んでも、キャラクターが楽しいから、何度も読み返して楽しめます。読み返すことで、謎解きロジックも、伏線に気付くことも、楽しめます。買って損はない、と思う。