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レクサスとオリーブの木―グローバリゼーションの正体〈下〉

トーマス フリードマン
おすすめ度:★★★★★
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切り口
おすすめ度 ★★★☆☆

新しい切り口は新鮮で、非常に考えさせられました。

レクサスについての批評本、ということでない点には注意です。



孤立化かそれとも
おすすめ度 ★★★★★

 日本では海外高級車におされて日本でだけは人気のないレクサス。
 それをタイトルにもってくるところはおもしろい。
 やはり故障だらけでも欧米の高級車がいいという日本人にはやはり海外への憧憬がある分、レクサスをこういう形でもってこられると世界の賛意を否定したくはなるものだ。
 グローバリズムをマニ教的善悪二元論で考えることの愚かさを教えてくれる。
 仕事と創意工夫についても考えさせられるところが多い。
 だが日本のようにリベラルな人であってもコネによる仕事がベストと考える風土だと本書は受け入れられないか。
 世界は個性的であるべきだが、日本的土着性「だけ」は駄目という人にオススメ。
 無論本書への批判は存在する。
 斎藤貴男氏のように市場社会から離脱し、物々交換や原始共産制という形もありうる。
 実際イスラームのテロリストの勉学はグローバリズムの賜物であるし。
 孤立化への道を選ぶのならやはり日本への海外からの輸出を規制し、鎖国経済を復活させるしか道はないだろう。
 ただ本書への批判が「ネット」で掲載されているのを見ると不思議だ(友人に頼んだのだろうか)
 といってもインドも中国もグローバルな道を選んだ。
 あとは、あえて全世界で唯一の道を選ぶ覚悟が日本人にあるかどうかであろう。



アメリカナイゼーションとグローバリゼーション
おすすめ度 ★★★★☆

グローバリゼーションとは、冷戦後の世界システムの再編現象である、というポイントを
ジャーナリスティックな事例を中心に読み物風にまとめているので、面白いですし、
枠組みもきちんと示されている本だと思います。

手垢のついた概念を、なるほど、そいうことなのね、という風に理解したい方向きです。

微妙にグローバリゼーションの負の部分を反省したりして見せるのですが、
著者の立場としては、グローバリゼーションとは
○アメリカがこの中心であり、不可避の現象であり、
○かつ物質的に豊かになるから良いことであり、
○反対する奴も所詮恩恵に蒙っているのだから文句を言う奴は卑怯であり、
○これからもアメリカががんばって欲しい、

というまとめ方になっています。

やっぱりアメリカ人って「面白いし、色々ものも知っていて、明るくてハンサムで、
正義感も強いんだけど、やっぱりちょっと独善的で、時々乱暴するし」っていう感じ
のどちらかといわれると、まあ「友人」と答えてしまう奴なんだなー、というを思い
を新たにしました。

グローバリゼーションという言葉が好きなヒトにも嫌いなヒトにも、考える材料
を提供してくれると思います(煮え切らないまとめ方だな。。。。)



概要
1992年某日、トマス・フリードマンは日本にあるトヨタ・レクサスの工場を見学し、ロボットが高級車を組み立てる光景に目を見張った。そしてその晩、新幹線の中で寿司をつまみながら、中東パレスチナ・イスラエル間で新たな戦闘の火花散る、という記事を読み、がく然とするのだった。世界の半分がレクサスのような高級車に向かって、少なくともレクサスを完成させるほど輝かしい技術に向かって邁進(まいしん)する一方、もう半分の世界では、どちらがオリーブの木の所有者かを巡って争っているとは…。
フリードマンは、ニューヨーク・タイムズ紙で外交問題を扱う、旅の経験も豊かなコラムニスト。本書ではスパイスのきいた語り口で、メインテーマを例証する話をつづっていく。多くの個人や国家が昔から大切にしてきたもの(オリーブの木)を手離すまいと抵抗しても、実はグローバリゼーション(レクサス)こそが冷戦後の世界をつかさどる主原則である、というのがこの作品のテーマである。
問題はこのグローバリゼーションの真の意味を理解している者がほとんどいないことだ。フリードマンが言うように、一見するとその概念は、アメリカへの覇権集中化、つまり、世界を隅々までディズニー化すること、に尽きるようだ。だがありがたいことに、国際関係やグローバル・マーケット、それに国家権力に関わりをもつビル・ゲイツやオサマ・ビン・ラデンといった個人の力の台頭が絡み、それほどすんなりとはいかないのが現実である。
グローバリゼーションによって世界がこれからどのように変わっていくのかを知る者などいない。だが本書は、ときには雄々しく、ときにはしかつめらしく見える新しい世界の全体像をつかむには、申し分のない1冊である。

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