土は生きているおすすめ度
★★★★★
アイガモ農法で知られる古野隆雄氏の試みはこの本がきっかけだったと言います。
選挙応援運動から始まるこの作品は、食品が農薬に汚染された状況である
と訴える候補者の訴えから、化学肥料とは何か、食品添加物とは何か、
それが身の回りの食品に何を起こしているのかを徹底的に追求していきます。
選挙の話はたち切れ状態になりますが、危機的現実に気が付いた医者、農家の
人々、漬物やさんたちが独自に解決策を模索し、答えをだしている様子は頭が下がる思いと
同時に励まされます。
農薬の前身とは何か。全部がそうだとは言いませんが戦争で使われた毒ガスです。
戦争が終わり、あまりの惨状に兵器として全面禁止となっていた毒ガスは農薬に生まれかわって
いた。田の雑草、害虫に限らず益虫、バクテリアを皆殺しにし、土を殺した。
作物に蓄積し、消費者の口に入る。決して分解されることのないそれらは体内に蓄積し、
ついには消費者の体を蝕んでいく。
味を濃くし、香りをきわだたせ、実をしまらせる堆肥が消える。
食品添加物の演出がとってかわる。
何を食べさせられているのかという思いがします。
本当に衛生的とは何か。毒や薬品が衛生や食品の品質を保つのか
消費者は考える必要があるでしょう。
現在77歳の老人が生まれた頃(1930年)、世界人口は20億だった(現在は66億人)
という事実が追い討ちをかけて心にのしかかります。
今でも変わっていない!おすすめ度
★★★★★
米・茶農家でバイトしたことあるけれど、今の現状はマッタク変わっていない。今でも使われている薬の名前が出てきている。この30年間、日本の農業はさらに自立できない方向へ進んでいるのではないか?そしてこれから先は・・・未来に希望が持てなくなる社会作りを進めている気がしてならない。
環境問題と有機農業
おすすめ度 ★★★★☆
今思えばこのころ(昭和40年代)は今よりも公害はひどく、環境は汚染されまくっていたわけです。
こういった状況で、最初に問題の解決策を提示したのが本書です。
小説の形を取っていますが、内容はドキュメンタリーそのもので、当時最先端の有機農業が、現代のものとなんら変わらないことに、人間の営みの長さを感じます。