原作ファンからの見地おすすめ度
★★★☆☆
原作を読んでから、堀北真希とばなな氏の対談も読んで、そして映画を見てみた。
対談の中でもばなな氏はキャラがぴったりだと絶賛していたが、
確かに堀北真希が演じるみつこはよかったと思うし、他のキャストも良かったと思う。
ただ、堀北真希はもっと体を張った演技をしなければ、憧れの菅野美穂のレベルまでは
到達できないであろうと思わされた。
やけくそになってビールを飲むシーンでは、え、なんでそこでビールがぶ飲み?っていう
不自然さが際立っていたし、あのような不良少女の役は実際にそういった行為をしたことが
無いのだろうか、いかにもといった演技だった。また本来は性犯罪者のように描かれている
従兄との関係もいいかげんだ。やらせろ、やらせないという押し問答からも緊迫した
感じが伝わって来ない。あれでは、ただのお互いに気がある若い男女の関係になってしまって
いる。そう言う所でまだ一流とは呼べない構成と演技だった。
それにアルゼンチンビルは原作では、もっとずっと汚くて臭い場所であるはずなのに
映画ではそれがただ単に「居心地の良い場所」となってしまっていたのは残念だった。
あれではドラマのだめカンタービレの野田恵の部屋の方がずっと良い。
スタッフは堀北真希が本気で嫌がるくらいのセットを用意するべきだったと思う。
それにしても原作も良いし、全体的には良い映画のはずなのにどうもブラーが
かかっている気がする。単調というかつまらない雰囲気である。
もっとスパイスを加えて、下妻物語くらいの映像や音楽の効果も加えたら
きっと映画の主題である「生と死」についての考え方というのもはっきりして
くるのだと思う。
宮崎駿とジブリがこの原作をアニメ化したらきっと凄い大作になってしまうの
だろうなと思えるのが残念で仕方が無い。
それくらいこの実写映画は平凡である。
よしもとばななワールド?おすすめ度
★★★★☆
なんか不思議な空気感。鈴木京香のババア姿は必見。
でも全然キレイだし。髪型と衣装はそれっぽいけど。
あんなキレイなババアなら恋しても納得できちゃう。
作者の意図的に、それでよかったのかな?
あと、堀北真希好きにはたまらんでしょう。
内容的にはわかったようなわからないような・・・
「よしもとばなな」ワールドというのか?
まだ原作を読んでいないけれど、逆に原作を読みたくなった。
原作では上手いこと表現されているんだろうか?
なんとなくスッキリしない気もするが、映像化するには
厳しい内容だったという事かもしれない。
ババアは ないじゃろ ^^おすすめ度
★★★★☆
人の死はつらい。
まして、自分の妻のしにゆくさまに立ち会うことができない父。
妻の死を受け入れることのできない父を、
年齢不詳のアルゼンチンババアがあたたかくつつむ。
その場所にいることに、唯一こころの安らぎを得る父。
そしてそんな父をなかなか理解できず、自分を捨てていった父に悩む娘。
このお話のテーマは奥深い。
人は人の死をどんな形で受けいれるのだろうか。
このお話は、自分の悲しみを乗り越えて、
人を愛し、人を受け入れることができたとき
乗り越えることができる。
と、言っているのだろう。
曼荼羅や仏教、カトリックのお祈りも出てくるが、
人はどんな形であれ、自分の形を見つけていく。
そして、いき続けていくことが・・
死んでいった人の願い。
そんな思いも感じる。
父と娘が、母の墓標のいるかを抱えて
海に落ちていく。
墓標はそのまま遺跡(笑)となり、
生きている人は、生き続けるために墓標を手放す。
こんなシーンに作者の思いを感じたのは
私だけではないだろう。
こころの苦しみを癒す場所、アルゼンチンババアの家は
そんな場所。
そして、その心は、娘に続いていく。
観終わった後に「原作を読んでみたい」とは思わなかった
おすすめ度 ★★★☆☆
マンガや小説が原作になっている映画を観ると、大抵「原作を読んでみたい」と思うのですが、本作品に関しては思いませんでした。まあこれは個人差があると思うので一概にはいえませんが、少なくとも私にはそう感じました。東野圭吾原作の映画が好きな人はそう感じることが多いかもしれません。
作品内容に関していうと、良かったとは思いますが、少しストーリー展開が速すぎたのではないかと思います。特にユリをあんなに嫌っていた叔母が最後には死んだことを泣くほどになっていたところは腑に落ちませんでした。もっとそういうところは段階を踏んでもらいたいな、と思います。まあ、時間の都合上仕方がなかったのでしょが、もう少し工夫の余地があったのではないかと思います。
キャストに関していうと、まあまあだたと思います。役所公司、堀北真希、鈴木京香は良かったと思います。キャスティングに点数をつけるなら、65点くらいです。
キャストのファンや、原作者のファンの人は見てもいいと思います。でも、私はよしもとばななさんの本を読んだことがないので分かりませんが、原作のインパクトが強すぎると、映画がイマイチなことも少なくないので、原作者の小説を読み込んでいるような人は面白くないかもしれません。