太陽が放つ最後の光おすすめ度
★★★★★
フランス人って唯我独尊・超個人主義と思っていましたが、
意外と繊細という事をこの映画で知りました。
ナイーブな独身女性を等身大で描いていて共感する所が多々あるのではないでしょうか?
太陽が放つ最後の光、日没時の気温や湿度や光や諸々の条件がそろって
はじめて見ることが出来ます。そうそう見られない自然界の化学反応を見てみたいです。
スンダードです。おすすめ度
★★★★★
この作品はスタンダード・サイズです。ヴィスタで御覧になったのでしたら、それはスタンダードがかけられない劇場で御覧になったからでしょう。
ロメールは基本的にスタンダード・サイズの作品です。
最新作「アストレとセラドンの恋」では劇場がスタンダードをかけられないところが多いのを考慮して、1:85サイズのフィルムにせっていして、両脇を黒をいれスダンダードになるように工夫していたりするほどです。
それとこの作品は16ミリを35ミリに変換しているためこのような画質になってしまいます。
ですので、サイズに関してはこのDVDは問題はないです。
せめてヴィスタサイズにおすすめ度
★★★☆☆
他のロメール作品のDVD同様、オリジナル画面は1.66:1ヴィスタサイズなのですが、DVD(以前のLDも)は1.33:1スタンダードサイズにトリミングされています。さらに、最後の光線は、デジタル処理で「着色」しています。「光線の加工」は止むを得ないとしても、「画面サイズ」はそのままして欲しいものです。作品自体は傑作です。全編ロケ、自然光を活かした撮影が綺麗で(この点でもDVDはイマイチ)、これぞ“ヌーベルヴァーグの世界”です。緑の草木、青い海、それに当時フランスで流行った赤の衣装、さり気無く見せるセンスの良さを感じます。
人生を考えさせる映画おすすめ度
★★★★★
故佐藤真監督のベスト1の作品です。
この映画の魅力はデルフィーヌが泣く場面のいたたまれなさと、そこにいたるまでに交わされる家族やともだちとの「普通」のやりとり。デルフィーヌは4回泣くのですが、そのたびに、誰もが体験したことのある無力感、絶望、孤独を否応なく思い出させられてしまいます。それまで交わされる会話に感情の起伏がほとんどないことが、デルフィーヌの嗚咽を際立たせています。役者たちは、演技していないような演技をしています。普通に食事しているグループを、普通に撮ったかのようなシーンが収められています。
「緑の光線」の意味はジュール・ヴェルヌの同名の小説から。日没後放たれる緑色の光を見た者は、人の気持ちが分かるようになるというのです。
今日、日没を某病院の窓から見ていましたが、橙色の光線しか見えませんでした。
人の心は、分からないほうがいいかもしれません。
この映画の記号は・・ベジタリアンとドストエフスキー・・・・・
おすすめ度 ★★★★★
この女性の姿はとても等身大に描かれています。例えば、ベジタリアンであるが故に、友人たちとのランチの席で、
とても苦しくなり傷ついて答えられない質問をされたりするところ。
「君は肉食はしない、動物たちは生きていたからと言う。じゃあ、野菜や果物たちは生きていなかったと言うの?
どうして野菜や果物だったら食べれるの?」と質問され、皆が食べる手を止めてその答えを促すところ。
これはつまり彼女に、肉食しないのならば死ねば?というに等しい。
ベジタリアンならこのように解釈します。全く同じ言い回しの質問を何度となくされてきた私などは。
このシーンだけでも、もはや彼女は他人ではなく、私にとって等身大の重みを持った存在となりました。
結局一人旅をすることになり、とある駅の待合室でベンチに座り、ひざの上に拡げ読み耽っていたのが
ドストエフスキーの「白痴」・・・・・
ある種の20代の女性の姿をこれ程、等身大に描けていた映画があったでしょうか!?
この時点ですでに彼女は私自身となっていました!
答えにはならなかったでしょうか。