新旧名監督の、別のアプローチを堪能しよう。 おすすめ度 ★★★★★
70年代は、アメリカのエンタテインメント映画が、質量ともに、隆盛を極めた幸福な時代だった。特に、硬派で気骨のあるアクション映画に傑作が多いが、ジーン・ハックマンを一躍スターダムに押し上げた今シリーズは、「ダーティハリー」と並ぶ犯罪ポリスアクションの最高峰と言える不滅の傑作だ。ネオ・ドキュメンタリータッチのざらざら、ひりひりとした感覚に、映画史上名高い畳み掛ける編集のリズムとテンポが圧巻のウイリアム・フリードキンによる第1作と、打って変わって、宿敵の本拠地フランスを舞台に、重量感とエスプリに満ちたハードボイルドな逸品のジョン・フランケンハイマーによる続編という、新旧名監督の別のアプローチが存分に楽しめるこのカップリングは、是非押さえておきたいアイテムだ。複数の監督が手掛けたシリーズ作品で、どちらもクオリティが高いのは、この連作以外では、「エイリアン」、「ダイハード」くらいだと思う。
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