このような状況の中、児童生徒のサポーターが協働でチームによる援助をすることが求められています。この本は、チーム援助の達人である「寅さん」「ハマちゃん」をとりあげています。この二人は、助け上手であり、助けられ上手です。それぞれのサポーターが、お互い助けたり、助けられたりしながら、児童生徒の「学校生活の質」を高めたいと思います。
おすすめしたい本です。おすすめ度
★★★★★
この本の全体に著者の暖かい眼差しがあふれています。
無理せずに周りの人と助け合って生きよう…読み終わると肩の力が抜けて暖かい気持ちになりました。
指導力、実力主義、自己責任…、こんな堅苦しい言葉に囲まれて生きている現代人に、人間本来の生き方を思い出させてくれる本だと思います。
そして、懐かしい寅さん、ハマちゃんシリーズの名場面を別の視点から楽しめることも私たち団塊の世代には嬉しいところです。
本棚において、自分を見失いそうなとき、また読み直したい本です。
寅さんとハマちゃんと著者による「チーム援助」の本おすすめ度
★★★★★
「いじめ」、「児童虐待」、「学級崩壊」。学校と家族をめぐる、さまざまな悲劇が繰り返されている。責任は教師にある。いや、親だ。事件が起こるたびに議論は堂々巡り。
そんなトゲトゲしい空気をやわらげてくれるのが、寅さんとハマちゃんの笑いと涙なのだ。著者は言う。寅さんは「百人に対して百人の顔をもつ」「相手の世界に入り、共感する」、また、ハマちゃんは「百人に対して一つの顔で接する」「相手の世界と自分の世界をきちんとわけて、お互いの世界を尊重する」と。
私も長いこと、寅さんの映画やハマちゃんの漫画と映画にホッとするものを感じてきた。でも、この二人が見事な援助者であり、カウンセラーとして目ざすべきものであるという視点は、この本によってはじめてもたらされたものだ。
この本のところどころで語られている、著者自身の物語も興味深い。人が生きていくのにムダなことは何もない、自助だけでなく互助が必要だ。読むものにそのことを静かに語りかけてくれる。
夏に、父母との交渉の悩みを相談してくれたある学校の先生に、この本を知らせたい。肩の力を抜いてもう少し楽に生きてもらうために。この本は、苦戦している人に贈る、寅さんとハマちゃんと著者による、チーム援助の本なのだ。
「助けられる人」の心理
おすすめ度 ★★★★★
「百人に対して百の顔をもつ」寅さんと,「百人に対して一つの顔で接する」ハマちゃん,どちらのタイプの人にも身近にいてほしいなぁと感じました。私自身の日常生活と照らし合わせてみると,寅さんタイプの援助は嬉しいけどしんどいときがあります。ハマちゃんタイプの援助は時にはもどかしく感じることがあります。自分が助けられる人として,上手に助けられるコツを身につけたいですね。本書には,そのような点も含めて「6つのレッスン」として分かりやすくまとめられています。