男と女、機械と人間。相反する物を融合したようなニュー・キャラクター「メカニカル・アニマル」は、人間の心を持ってしまった哀しい機械生物だ。近未来的なジャケットから想像する通りのサウンドだ。メカをテーマにしているため独特の整合感があり、前作と比べると音が綺麗。「アンチクライスト〜」が生理的にダメだった人でも、この作品なら大丈夫だろう。ヴォーカルは依然ノイズ混じりだが、メロディーの描写力が高く、キャッチーですらある。
「いかにアグレッシヴであるかとか、ノイジーであるかということより、ダイナミズムや美しいサウンドに比重をかけた。」というマンソンの言葉からも分かるように、決してショックを与えるだけのキワモノではない。その裏にある確かな質の高さがマンソンの身上だ。
大ヒット曲「Rock Is Dead」の縦ノリもイケてるし、アンドロイドの悲哀を表現した「The Speed Of Pain」もイイ。疾走するインダストリアル曲「Posthuman」や、薬物の誘惑に墜ちていく「I Don't Like The Drugs (But The Drugs Like Me)」にはコアな部分もちゃんとある。地球最後の日に愛の誓いを交わす「The Last Day On Earth」などストーリー仕立ての曲も。
最もマンソンらしさが出ている…すごいアルバムですね…おすすめ度
★★★★☆
大好きなアーチストの一人であるマリリン・マンソンの作品の中でも
非常に完成度の高い作品です。前作「アンチクライスト・スーパース
ター」では荒削りながらも圧倒的パワー(アンチ)でかっこよかった
のですが、今作品は非常に繊細でクールです。もちろん、クールな中
にもマンソン独特な狂気は感じられます。(ここが売りか…)
もともとマンソンは大衆受けするアーチストじゃないので、数々の批
判的なレビューも多かったのですが、この作品に関しては完全なアー
チストとしての才能を見せ付けられたので、そういったものが少ない
ように感じます。
ジャケットからしてセンスが良いのですが、収録されている歌も非常
に素晴らしいですよ。しかも全体的に。
之ほどのアーチストだとは思ってもなかった(失礼)ので、発売当初
はビックリしてしまいました。(今考えると当然の才能なのかもしれ
ません)
日本では生まれないアーチストだと思います。是非。
ps.個人的には前後の作品も名曲揃いだと思いますので、そちらも。
天使の声おすすめ度
★★★★★
あまりのかっこよさに、頭がくらくらしました。
久しぶりに味わう、極上の音楽だけがくれる、快感が体を突き抜けました。
本人は、「悪魔」にこだわっているようですが、
歌声はまさに「天使の歌声」。
曲を聴いた後は、ジャケ写真もUMAというよりは、天使に見えてきました。
恐怖が俺の名前 MAR1LYN MAN5ON
おすすめ度 ★★★★★
「この世のあらゆる最高のレコードを越えてやるぜ。」(スティーヴン・タイラー)「彼らは表層的な模倣で天才の作品を越えてやろうとする。」(フロイド・ニーチェ)「WE ARE READY FOR OUR 15 MINUTES OF SHAME.」(マリリン・マンソン)-----まずこのアルバムとエアロスミスの「JUST PUSH PLAY」を聴き比べてみてください。マリリン・マンソンの真の影響力と、彼の作品の真の価値がわかります。.---「STAR(星)はSTAR(有名人のスター)」---模倣者たちに投げた、この壮大な宇宙的だまし絵の傑作をぜひお勧めします。