日本古代史研究は基礎資料を大切に…岩波『日本書紀』ワイド版おすすめ度
★★★★★
『日本書紀』『古事記』のいわゆる「記紀」の解説書から、邪馬台国の存在や大和朝廷の成立など古代日本史を扱った本は数多にあるが、とにかく基礎資料たる『日本書紀』の原文を、全部読み通さなくても、せめて参照できるように手元において置かなければ正確な知識の習得はおぼつかない。岩波文庫のものは原文のままで、非常に詳細な注釈がついているのでとても参考になるだろう。ワイド版は活字が大きいので読みやすい。反面原文なので読むのが難しいから講談社学術文庫の宇治谷孟氏、あるいは中公クラシックスの井上光貞氏の現代語訳もそろえておけば万全だと思う。日本古代史に関心がある人で、専門家や歴史愛好家の書いたものを読むだけで満足しているような人がいるが、まさに自分たちの歴史を学ぶのであるから、きちんと『古事記』『日本書紀』の原典に当たるように心がけてこそ、正確な歴史認識を期すことができるというものである。
待望の読みやすいバージョン
おすすめ度 ★★★★☆
古代史研究必読である日本書紀。
今までやや手を出しにくいところがあったが、一気に読みやすい物が出てくれた。
広く普及してくれるとありがたい。