これぞ古き良きSF冒険活劇おすすめ度
★★★★★
超高速の大型宇宙船ビーグル号は地球最高の科学者たちを満載し、無限の宇宙の探索に乗り出した。しかしその行く手には、人類の想像を絶する恐るべき怪物たちが待ち構 えていた。クァール、リイム、イクストル、アナビス。彼らは種族の存亡を賭け、脅威の超能力を駆使して次々と宇宙船に襲いかかる!
しかも、1000人の乗員(揃いも揃って専門バカ)から成る巨大宇宙船・ビーグル号はその内に、熾烈な権力争いと内紛の火種を抱えていた。この内憂外患を前に、1人敢然と立ち上がったのは、新科学、情報総合学(Nextialism)の若き泰斗、エリオット=グローヴナーであった!
壮大な宇宙を背景とした、人類の科学力と怪物の超能力の熾烈な激突! そして、宇宙船内に張り巡らされる、グロ―ヴナーの権謀術数!! この作品は、絶大な人気を博したヴォクトのデビュー作「黒い破壊者」(1939)、その続編である「緋色の不協和音」 (1939)、「M−33星雲」(1943)、「神経の戦い」(1950)の4つの中篇を補筆・再構成し、長篇化したもので、日本では非常に人気が高いSFである(本国アメリカではヴォークト節全開の『非A』シリーズや『武器店』シリーズに人気が集まっているが、日本では『宇宙船ビーグル号』や『スラン』といったクセの少ないマイルドな作品の方が人気である。国民性の違いか、訳の問題なのか)。
奔放な想像力によって生み出される突拍子もない空想科学アイディアと手に汗握る駆け引きは、正に痛快そのもの。SFエンターティメントの傑作である。最適のSF入門。
映画「エイリアン」の盗作元おすすめ度
★★★★★
SFというジャンルの原形のような作品です。子供の頃のSFのイメージってこういう感じだったかもしれない、と思わせます。
大型の恒星間探査船が巡り会う手強い宇宙人。それに立ち向かう人類の英知、というあたりがテーマです。テクノロジー的な設定はさすがに古くさい所はありますが、登場人物達のキャラクター設定や人間関係が面白いので、そう言う意味では今でも十分楽しめます。
大きく3つのエピソードが含まれていますが、その中の一編は映画「エイリアン」の下地にもなった、というか裁判沙汰になってヴォークトが勝訴したといういわく付きの作品です。
本書は誰でもが通り過ぎるような作品なのですが、ここには誰も帰ってこない。作者の末路は、忘れられた過去の作家として結構哀れだったそうです。
続編が読みたい!おすすめ度
★★★★★
これは、もう古典でしょうか。内容的には眉つば的な所が散見されますが、何といっても面白いです。
ヴォークトの作品は他にも有名なものが多いですが、「スラン」なども面白いかもしれません。
「宇宙船ビーグル号」は話としては、モンスター系というのかな。毎回、ものすごいモンスターが出てきて人間と戦うのですが、結構、はらはらさせられます。(こう書くとなんかウルトラマンみたいだな。私はこういう系統にはまりやすいようです。)