前作より簡単になりましたねおすすめ度
★★★☆☆
前作のGBA版「秘密の部屋」に比べると画像は綺麗になり、ホグワーツ魔法魔術学校の内部や外見の一部に他のゲーム(PS2版「アズカバンの囚人」など)とのリンクが感じられ嬉しくなりました。しかし、走るという行動を取れず歩くことしかできないキャラだけに、校内が広くなった分、移動に時間がかかるのが難点です。
前作で気になった、セーブデータが一つしか作れないことや途中でセーブできないことも改善され、セーブデータは三つ作ることができるし途中でセーブもできるしと、かなり遊びやすくなっています。難を言えば、途中で別のスロットに保存できず、上書きしかできないことですね。
RPGだけに、ある程度のレベル上げは必要ですが、内容的にはすごく優しくなっています。選んだキャラによってルートが変わることもあり、ルートを制覇しようとすると、2回は最初からプレイすることになるでしょうが(1回目のレベルやカードなど、データは引き継ぐことができます)、ストーリーが短いし途中で攻略に悩むような部分もないので、それほど苦にはなりません。また、ストーリーに絡んで結構手応えのあるミニゲームが挿入されていますが、これは途中でやめても展開に全く影響を与えないので大丈夫です。
結論として、優しくなりすぎて呆気なかった気もする反面、初心者にとってはハリー・ポッターの世界に浸りやすく遊びやすいだろうという気もしています。
概要
小説、映画で大ヒットした「ハリー・ポッター」シリーズの3作目が原作のRPGだ。物語はハリーの両親を殺したとされる殺人鬼シリウス・ブラックが魔法界の牢獄アズカバンから脱獄し、13歳になったハリーの命を狙うというもの。
舞台は主人公ハリーが通う「ホグワーツ魔法魔術学校」をはじめとする魔法世界。フィールドを移動して情報を集めながら謎を解いていき、移動中にマップ上で動いているモンスターに触れると戦闘が始まる。
序盤ではハリーのみを操作して進めていくが、ストーリーが進むとハリーの親友のロン、ハーマイオニーが使用可能になる。3人の仲間たちは経験値がたまるとレベルアップして、より強力な魔法を使えるなどの成長をしていく。
原作同様、3人にはそれぞれに個性と特長があり、状況によって使い分けられるだけでなく、キャラクターごとに別のルートが用意され違う視点で物語を楽しめるようになっているので、1回のプレイでは全てのルートは見られない。
ゲームの本編以外にも、ミニゲームやカード集めなどのおまけ要素が収録されている。さらに、GC版『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』との連動で、原作に登場するふくろうたちを育てられるようになるなどの特典が用意されている。
別売りの『ゲームボーイアドバンス専用通信ケーブル』を使えば、ほかのプレイヤーとカードを交換することも可能。原作に沿ったストーリーをなぞりながらも、ハリポタの世界を存分に楽しめるやりこみ要素が満載されており、ファンならずともじっくり楽しめる内容だ。(江口 湊)