凶器の心おすすめ度
★★★☆☆
シェイクスピアを現代に置き換えたせいか、少々強引な所が気になりますが、ハイスクールでの嫉妬という事で上手くまとまっていると思います。
全般抑え気味のジョシュの演技も素晴らしいですし、マーチーン・シーンの熱心なコーチ振りも役にぴったりとはまっています。
バスケットシーンも迫力があり、何故、コーチがオーディンを可愛がり期待したのかも納得できます。
誰の心の中にも潜んでいる嫉妬心が、最後には大きな悲劇を生む事になります。
衝撃的なラストシーンの為に、公開が２年延期されたのも頷けます。
事件を聞いて駆け出すコーチの姿とパトカーの中で振り向くヒューゴの顔が重なり、何とも物悲しい気持ちにさせられました。
概要
シェイクスピア悲劇の最高傑作『オセロー』を、現代のハイスクールを置き換えて映画化した学園サスペンス。
アメリカ南部の全寮制エリート高校。バスケットボール・チームに所属するヒューゴ（ジョシュ・ハートネット）は、チームの花形選手であり成績も優秀な学校唯一の黒人学生オーディン（マカーイ・ファイファー）に深く嫉妬していた。チームのコーチであるヒューゴの父親も、息子以上にオーディンを評価していたのだ。ひそかに思いを寄せていたデジー（ジュリア・スタイルズ）もオーディンを愛していると知ったヒューゴは、狡猾な罠を仕掛け、オーディンを破滅へと導いていく…。
人種差別、校内暴力、親子の断絶、もつれた恋、そしてドラッグ…。現代の若者が抱える問題を織り込みながら、ひとりの少年の嫉妬が、多くの人を巻き込む悲劇を引き起こす様をクールに描写。嫉妬心に駆られ、相手を破滅させなければ自分が崩壊してしまう。そんな人間のダークサイドをスピーディに描き、背筋がゾッとする心理劇に仕上げている。（茂木直美）
