アメリカがやって来た おすすめ度 ★★★★★
ナイトレンジャーの初来日公園ビデオ。(1983年12月13日・新宿厚生年金会館)グループ全体のキャラは天然ポジティブアメリカンなのですが、ギターのジェフ・ワトソンはちょっと貴公子、キーボードのアランは物静かながらも闘志をうちに秘めた雪山を愛する男といった感じです。(アラン着用の毛糸の帽子・サングラスからのイメージ) バラード路線に入る前の2ndアルバム発売後のライブとあって、8割は切れ味最高の爽快感あふれるアメリカンロックでエンディングまで疾走します。このバンドの面白いところは、リズム担当(ベース・ドラムス)がリードボーカルを執ることにより、メロディ担当のギター・キーボードにハイライトが集中することなく、メンバー全員にスポットが浴びるシチュエーションを演出していることです。 ファーストアルバムを聴いた時、ギターサウンドがエドワード・ヴァン・ヘイレンに似てるかなと思いましたが、やはりジェフもブラッドもライトハンド奏法を巧みに奏でていました。エドワードが確立したライトハンド奏法ですが、この二人は見事自分たち独自のギターワークとして採り込んでいました。ジェフの前後左右に体を動かしながらの演奏は、とてもダイナミックであり華麗でした。ブラッドが2メートル近くもあるセットから飛び降りてきて、怪我ひとつなく平気な顔で演奏しているシーンは驚きでした。キーボードのアランですが、”RUMOURS IN THE AIR”のイントロの演奏で長身の体を丸く屈めて、時折自転車をこいでいるようなスタイルが、とても強く印象に残ってます。美しくメロディアスな演奏は言うまでもなくハイグレードです。エンディングは星条旗をバックに、”ROCK IN AMERICA”でアメリカのライブ会場にいるような気分に。 ロックはライブを見に行くのが一番ですが、それが出来ない方はビデオやDVDなどの映像を見ることでライブ会場に行った雰囲気が味わえます。アラン在籍時のこのビデオはナイトレンジャーのメディアの中で最高だと思われ、DVD化が待ち望まれる1本です。
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