感覚的には☆4.5おすすめ度
★★★★★
ホテル編もすっかり板に付いてきた佐々倉君(もっとも設定ではラッツホテルのチーフだった
はずなので、慣れるも何もないはずですが・・・)が描かれています。
今巻では「街場のバー」時代の登場人物・・・広告代理店の名物次長+その部下、うれないロッカー、
ちょっとエッチな教授・・・彼らがちょっとずつグレードアップして帰ってきた時、バーテンダーは
どう対処するのか、が描かれており非常に趣深い。
ただ、ホテル編だからといって、Endがホテルの有用性に気づき、ホテルに泊まると言うオチだったのが
2つあったのは少し残念。ホテルのバーの中の街場のバー、である新イーデンホールの真の役割
をもう少し魅せて欲しかった、と言う意味で☆0.5個分引きました。
最後に、今回のエピソードで最も良かったのは最後のエピソード。自殺しかねないお客を如何に捌くか、
これはカーディナルに来た佐々倉君の最大の越えるべき壁だったわけですが、これをきちんとクリアー
させ、さらに美和との距離と近づけるあたりの非常に憎い演出はさすがバーテンダー。
ますますはまりそうです。
ホテルに移っても
おすすめ度 ★★★★★
ホテルに移っても変わらない雰囲気の「イーデンホール」で働く溜。そこで来る広げられる人間模様、そしてそこに何気なく登場する「お酒」絶妙なバランスで出てくるところが良いです。「バーテンダー」ですからお酒をメインに据えても良いのですが、決して「お酒」が話の邪魔にならずに物語を膨らませてくれます。話の端々にちゃんとカクテルやお酒の由来の話をからめたお客様の人間模様を見事に描いています。同じ出版社から出されているワインの話に比べても同じ作者とは思えない程に奥行き、膨らみもあって素晴らしい「大人のコミック」という感じです。近年まれに見る秀逸な作品です。