ずっと貴方の傍にいますおすすめ度
★★★☆☆
「ビシッといこうぜ!ビシッと」
こんな台詞の似合う渡辺謙が,若年性アルツハイマーだと告知されます。
現在の病状は「物忘れ外来」に行ったほうがいいかなと悩み始める頃だと思います。
現実はとてもじゃないが映画のように格好よくいきません。もっともっと悲惨で,たいていの妻は「ずっと貴方のそばにいます」なんて言葉じゃなく,たいていは無言で,この先どうしていこうかと悩み始め,離婚してしまう夫婦も多いそうです。老人性ならば介護は大変でもまだ諦めもつきますが,若年性の場合は進行が早いだけに現実として受け止めにくく,その悲惨さは映画の比ではないと思います。
映画の中での樋口可南子さんは奥さん役としては最高に素晴らしいと思いますが…。
122分という作品の中で,一体何を訴えたかったのか,病気の悲惨さなのか,夫婦愛なのか,だれにでも起きる可能性があるという警鐘なのか,前半の程よいテンポが,勝負所の後半では,違和感のある流れになって,捕らえどころのない作品になってしまいました。
私の個人的な意見では,家族がもう一人増えるということを背景に“夫婦愛”“家族愛”という視点で集中させた方が,病気に対する理解も深まったと思います。
号泣する作品かと思いましたが。。。おすすめ度
★★★★☆
出演者・監督ともさすがですが、最近、こう言うのって多いなぁと思ってしまう。
映画はみんな白血病か、記憶がなくなってしまう系。
設定だけで泣けるのは間違いないし、「どっかで見たような?」と思ってしまうんだけども。
それがあっても、良かったけども、最後はすごいアッサリなんですね。。。
堤監督の真面目な作品と言うのも意外でした。
「最近、感動したことないな」・・・そんな人へオススメ
おすすめ度 ★★★★☆
主演の渡辺謙さんが好きな俳優なのでレンタルしてみた。
レンタルしてまでドラマものは観た事なかったのだが・・・
若年性アルツハイマーに侵されていくという、まるっきりの他人事では片付けられない話。
自分がこうなったら、どうしよう
背筋に寒いものを感じたのは、ワタシだけではないと思うのだが・・・
概要
若年性アルツハイマーと聞くと、悲痛なドラマを連想するが、本作は観終わってどこか希望の光を感じさせる。それでいて、病気の現実を真正面からとらえる。この意味で、ひじょうに好感が持てる作品である。渡辺謙が演じる主人公は、50歳を前にして物忘れがどんどんひどくなる。最初に彼が受ける病院の検査から、観る者に同時体験させることで、アルツハイマーの怖さをリアルに実感させていくのだ。もし自分が、あるいは家族や同僚が…と切迫感を高める展開が見事。
これ以前の作品ではトリッキーな演出で賛否もあった堤幸彦監督だが、本作では記憶が曖昧になっていくドラマに、その演出方法がピタリと合っている。この種の映画では、得てして悲劇だけが全面に押し出されがちだが、周囲の人間のさまざまな反応、とくに相手がアルツハイマーであることを利用しようとする人間の悪い部分もさり気なく盛り込み、多面的に考えさせるところが秀逸。木梨憲武、大滝秀治ら脇役の存在感も光っている。クライマックスからラストが、これほど心地よいのはなぜだろう? それは作り手の、人生に対する賛歌が託されているからである。(斉藤博昭)